仕立屋

アニメ、ゲーム、小説などの感想文と考察、妄想。ネタバレになると思われるのでご注意ください。

Fate/strangeFake1~4

ひとまず、小説版読了です!読書推薦文します!

 

 

fgofateに触れて、アニメは『Fate/Zero』のみ観たという、非常に浅い段階にいる私ですが、アポクリファのアニメが始まって第一話、やけにTwitterで金髪の少年が騒がれていて、何かと思えばどうやらアニメオリジナル。別作品のキャラクターが出番増量で出演しているらしい。

気になってちょっと調べたら出てきました。

Fate/strangeFake』!しかも成田良悟か!

成田なら読めるぞ!と息巻いて4巻買って一気に読みました。

 

 

ああ、難しい!難しかったです!

1巻のあとがきに「fateを知らない人も楽しめるように」と書いてあったとおり、ほぼ知らない状態の私ですが、とても面白かったです。fateは詳しくないですが、成田作品にはある程度耐性があったので、時系列·場所の交錯や視点の切り替えは問題なく(分かる、とは言いませんが、読み返せばいいのは知っています。読み方はなんとなく分かっています、なんとなく)、カタカナのお名前を覚えられない病気さえ克服すれば漫画的に読める、映像で読む小説のように感じました。楽しい!

残念な点、というか、私が残念なだけなのですが、これはTYPE-MOONの他の作品群を知っていれば知っているほど「にやりとする」作品なので、私が他の作品をあまり知らないのが悔しい!私もにやっとしたい!

ただ、前述の通り、知らないことで話がわからなくなることはまず無い、と思います。恐らく『Fate/Zero』と、あとは『Fate/Prototype 』の主人公(だったと思う……うろ覚えで文章にするの申し訳ない)の名前を知っているくらいで大丈夫!私は『Fate/Grand Order』に関してはプレイ中で、終局までいっていないのですがそこまで本筋に内容は絡んできていない……ように思います。ただ噂によると、これを終局までプレイ済みだと悦ぶ要素がかなり多くなるらしいので、最後までプレイしたらまた読み返したいと思います。

成田作品の特徴としてはちょこっと触れたとおり、「時系列·場所·視点の交錯」「登場人物が多く、その多くが視点を持つ群像劇形式」というちょっぴり読みにくい、面倒くさい作風。一度ハマってしまえば最後のどんでん返しが楽しくて仕方がないのですが、読みなれないとなかなか難儀だと言えると思います。そこに加えてライトノベルらしい「文字で漫画を描くような文体」なので読みにくい人には非常に読みにくい。

今回は挿絵が多くてとても華やかな作品だと感じました!キャラクターが絵で想像できるとこのタイプの小説は楽しいですよね。

 

 

「偽りの聖杯戦争」という今回のテーマですが、このテーマが今後どのように関わってくるのか。「偽」陣営と「真」陣営が存在するという事実がどのような意味合いを持ってくるのか。

 

英雄王ギルガメッシュを従えたティーネ陣営、今のところすごくホッコリしながら見ているのですがこの後どう動いていくかと思うとハラハラしますね……。「盲信はするな」「幼童らしくせよ」幼いティーネの心に疑念を生ませて面白がっているのか、導いているようにも見える(見えなくもない……)ギルガメッシュの行動も今後どうなっていくのやら……。

今のティーネのあり方が、私にはそれこそ一族の願いを叶えるための「願望器」のように見えてならないのですが、願望を叶えるために立たされたマスターであるティーネが英雄王の存在から何を得てどのように変わっていくのか。彼女自身の心から願望を、答えを見つけられるのか。

 

個人的に一番気がかりなのはやはりフラットくんの偽バーサーカー陣営。

ジャックさんの宝具がバーサーカーらしく強力だった、というべきなのか……いや、バーサーカーだからといって宝具が強力な訳では無いですね。でも強かった!

恐らく偽アーチャーのギルガメッシュと鎬を削るほどの実力と推測される真アーチャー、アルケイデスと拮抗……したかと思ったのですが、なかなかに反則的というか、「ずるい〜!」と思ってしまったのですが真アーチャーの第三宝具にやられました。あれ、奪われっぱなしなのだろうか……。

フラットくんは過去と彼自身の「特異性」が徐々に明かされてきて、その分ほの暗さと謎が深まったように思います。何者なんだ。

根源接続者説がありましたが正直(よく知らないながら)私もその方向を疑いつつ、今後彼の特異点が明らかになる描写に気を配りたいと思います……ところどころで強調される「効率が悪い」という言葉と、一人称が「僕」と「俺」の2つで使い分けされているというのはポイントになるだろうか。

 

「偽」陣営と「真」陣営の架け橋的存在であるセイバー陣営、ギターのシーンはとっても愉快でした!その他もなんとなくこの陣営も癒しのように思っているのですが、時折現れる赤ずきんにひやっとさせられます。

そしてサンジェルマンさんはこれからどう関わってくるんだ……。これまでのfateシリーズにも「夢」の描写はされていますが、今回みたいにマスターの存在を「夢」のほうに認知されることは無かったと思うのです……こわい……。

アヤカ·サジョウという存在についても不可解な点が多い。「プレイヤー」である彼女の存在もまた、この「偽りの聖杯戦争」を変質させる、あるいは変質させた要因なのでしょうが、これからの描写に期待です。

 

他にも言いたいことは沢山あるのですが、これ以上の考察と感想は次回以降ということで。

漫画の方も気になるので、そちらも読んでみようと思います!こういうのは絵でも見たい!

 

全陣営が視点を持って行動を描写されるのは群像劇作家である成田さんの作風ゆえというか、彼らしい感じがして好ましいのですが、こうされるとどの陣営も脱落して欲しくないような、なんというか……。情が移っていけない。

どのキャラクターも可愛く見えてきてだめだ……。

 

 

こんな読書推薦文でも気になって頂けたなら是非ともお手に取ってください。散々「面倒くさい」やら「読みにくい」やら言いましたが、絶対に面白いので、どうか読んでみてください。

情報量は多いですが、私はもう処理しきれない分に関しては『シン・ゴジラ』の時みたいに情報に殴られることにしています。脳みそが痺れて楽しいですよ。

 

誰かの琴線に触れたことを願います……!

strangeFakeの輪が広がりますように!